Justin Bieberのバーチャル・コンサートの最前列から
MetaSaaSとメタバースにおける音楽の未来
弊社パートナーのJoe Huangによる、Justin Bieberのバーチャル・コンサートの最前列から考察するエンターテインメントとメタバースについて。
(この記事は2022年1月下旬に執筆されたものです。)
この数週間の間に3つの出来事があり、頭の中がぐるぐると回ってしまっているので、考えを整理したいと思い、ここに再び書かせていただきます。
まずはじめに、FacebookがMetaへのリブランディングを発表し、バズワードである「メタバース」へ注力することが明らかになりました。このワードは、実社会ではまだしっかりと定義されていませんが、「ビッグデータ」や「AI」と同じように曖昧な表現ですが、あらゆるピッチデックや見出しに並べられている言葉でもあります。
Neal Stephenson の『Snow Crash』を読みましたが、彼が指すメタバースは、彼がこの言葉を作った1992年当時から現在までの時を経て、ほとんど現実味を帯びていません。私見ですが、『Snow Crash』のメタバースは、SFというよりファンタジーの範疇だと思います。
2つ目は、メタバースについてより現実的に書かれた小説(あまり知られていませんが)を友人が薦めてくれたことです。完全な没入型仮想世界を構築するために克服しなければならない技術ハードルについて、著者の描写の正確さに圧倒されたのです。これについては、後ほど詳しくご紹介します。
その本を読み終えたとき、私は思いもよらない場所にいました。なんと、Justin Bieberのコンサートの最前列です。
最前列と言っても私の視点のことで、コンサートはバーチャルでした。メタバースに懐疑的だった私が、最近の大流行によって興味を持ち始めた矢先、このコンサートは私が今まで参加した中で最もエキサイティングなコンサートの1つとなりました。このライブショー「#BieberWAVE」では、モーションキャプチャー技術を搭載した「バーチャルのJustin Bieber」のアバターがリアルタイムで操作されていて、「人間のJustin Bieber」は、プロデューサーが画面の隅にライブフィードを表示すると、スタジオでのパフォーマンスをたまに見ることのできるという感じでした。また、視聴者はクリックして番組とインタラクトすることができ、時折、専用のZoomルームに招待され厳選されたファンの映像を見ることができました。
モーキャップスーツを着た人間のJustin BieberがアバターのJustin Bieberーを操作して、パフォーマンスを行う #BieberWAVE の様子
#BieberWAVEは、Justin Bieberに熱心なZ世代、ミレニアル世代のファンに向けて(例えばパンデミックによってライブコンサートが中止されるようなことがなかったとしても)、実際に見る機会がなかったであろう遠く離れた場所にいる人たちにとって、魔法のようなものだったに違いありません。私も白髪混じりの頭を振って、他の人たちと一緒に "Peaches "を歌っていましたから🍑。
そして、私の最近の読書の話に戻りますが、SF作家で音楽家のSarah Pinskerがネビュラ賞を受賞した輝かしい小説『A Song for a New Day』について述べます。
#BieberWAVEは、(Pinsker氏の架空の会社「StageHoloLive」が開催する完全没入型のメタバース型コンサートではなく)主にブラウザベースの体験でしたが、「A Song for a New Day」でのテクノロジーが、「Snow Crash」のよりもはるかに現実に近いことは明らかです。
A Song for a New Day, by Sarah Pinsker
これについては、いろいろと思うところがあるので、別の記事で詳しく述べたいと思いますが、端的に言うならばPinskerの架空の世界に浸り、SHLの体験を視覚化した後では、#BieberWAVEは少し物足りないものでした。しかし、このようなライブイベントの成功自体が、大きな功績でないわけではありません。一夜にして実現したわけではありませんから、数カ月間は十分に眠っていないであろう舞台裏のクリエイターや事務局、技術者たちに大きな賛辞を送りたいです。
しかし、このようなバーチャルコンサートを開催するには、すべての人間、すべてのコード、すべての機材が完璧に連携していなければなりません。例えば、曲間の静寂の中で、Justin Bieberのマイクがスタジオの人々のざわめきを拾うなど、予想外の出来事を垣間見るようなこともありました。また、Justin Bieberは何年も長いステージをこなしているにもかかわらず、35分のステージでひどく疲れているように見えました。しかし、まだ成熟していないテクノロジーと、絶叫するファンで埋め尽くされたアリーナのエネルギーに慣れたアーティストによるコンサートであっても、この体験は想像を上回るものでした。
Pinskerの言葉と、Justin Bieberの動きから、エンターテインメント技術の進歩と、ファンやアーティストが満足できるバーチャルコンサートを実現するためには、まだまだ課題があることを感じずにはいられませんでした。
さらに、私が考えるMetaSaaSとは、クリエイターが持つ才能をメタバースに対応したライブ体験にスケールアップさせるためのツールで、大きなチャンスがあることは明らかです。
現時点では、Justin Bieberのように十分な資金と技術力を持つアーティストでさえ、実空間で行われる彼のライブのエネルギーと制作価値に匹敵するようなバーチャルなミニショーを制作することはできないのです。
この業界は、SHLクオリティの没入型体験を生み出す準備ができておらず、ましてや、Pinskerが『A Song for a New Day』で提起した「メディアは、技術的な要件が彼らの創造性の限界を決定し、実際の聴衆とつながる喜びを損なうことを望むアーティストだけを魅了するかもしれない」というような懸念に取り組むことはできないのです。
本記事は、とりあえずこの辺にしておきますが、ここまで来たら、ここからは宿題です。
先にこれをやっておくと、私が言っていることが理解できるようになって、次に進むことができます。(オーディオブックはナレーションもしっかりしているので、そちらが得意な方はぜひそちらをご利用ください。)
2. #BieberWAVEのリプレイを見てください。
残念ながら、ライブで観られなかった方は、モーションキャプチャースーツを着たJustin Bieberの舞台裏をリアルタイムで配信しているので、交流はできませんが、大まかな内容は伝わると思います。
3. ツイッターで@huangwayをフォローしてください。
そうすれば、パート2を見逃すことはありません。ジャック・ドーシーが再びCEOになるまでに、もっと上手にツイートすることを約束します。
*この記事は許可を得て再掲載しています。元の記事はこちらからご覧ください。
先にこれをやっておくと、私が言っていることが理解できるようになって、次に進むことができます。(オーディオブックはナレーションもしっかりしているので、そちらが得意な方はぜひそちらをご利用ください。)
2. #BieberWAVEのリプレイを見てください。
残念ながら、ライブで観られなかった方は、モーションキャプチャースーツを着たJustin Bieberの舞台裏をリアルタイムで配信しているので、交流はできませんが、大まかな内容は伝わると思います。
3. ツイッターで@huangwayをフォローしてください。
そうすれば、パート2を見逃すことはありません。ジャック・ドーシーが再びCEOになるまでに、もっと上手にツイートすることを約束します。
*この記事は許可を得て再掲載しています。元の記事はこちらからご覧ください。
SUBSCRIBE US! Headline Asia の最新のニュースをお届けします。