様々な投資型DAO台頭ーーーアメリカ合衆国憲法の原本に投資するDAOも!?

【DAO大解剖②】投資ビークルとしてのDAOについて

前回はDAOとは一体何なのかという点について掘り下げました。今回は、DAOという概念の更なる理解、そして他の異なる種類のDAOについてお伝えしたいと思います。

Headline Asiaのリサーチによると現在、世界には240のDAOが存在し、これらは2020年から生まれたもので、増加率は100%。今日は、投資ビークルとしてのDAOについて深掘りしていきます。

DAOの利点


DAOはスマートコントラクトを使って、資産を募る作業と集団で投資する作業を自動化しているため、従来の組織形態より効率的にできます。
さらに、DAOの持つ利点の1つとして、投資金額・投資リターン・投資先それぞれの投資状況など情報の透明性が高いため、投資家はファンドマネージャーの情報提供に頼らなくても良いという点が挙げられます。ブロックチェーン上で出資やリターン回収に係る送金履歴なども全て確認できます。

他にも、従来の金融業界ではほとんどの有限責任組合やファンドは公開市場に上場されていないため、ファンドの持分が容易にやりとりできない欠点が挙げられます。その反面、DAOトークンは取引所などにリスティングしていることが多く、容易に取引することができます。

投資対象とプロセス


投資対象は、クリプトプロジェクト、企業の株式・トークンからNFTまで様々なものがあります。話題になった一例として、2021年11月にConstitutionDAOというDAOがアメリカ合衆国憲法のの原本にまで投資しようとしていたこともあります。

理想的な投資プロセスは、DAOのガバナンストークンを有するものが、投資アイディアの提案やそれに対する投票をすることですが、実際にはこのようなDAOは、ガバナンストークンのほとんどを有する集団によって立ち上げられていることが多いです。彼らが、実行と意思決定を迅速に行っています。ただ、DAOが一定のトラックレコードを出した後に更なるトークンを市場に放出し、分散化になってより理想なDAOに近づきます。

また、投票率を上げるために一部のDAOは投票に対する報酬を設定しています。一部のDAOは平均以上のリターンを出した投資提案に賛成票を投じたメンバーに追加のトークン報酬を出すようにしています。

各のDAOのロゴ

投資ビークルとして活発なDAO

BitDAO (メンバー数: 14,526; 調達額: $2.6B) : Part Iでもご紹介したBitDAOですが、当初の狙いは、トークンスワップと共同開発を通じて開発者を引き寄せることです。トークンスワップの流動性を提供することによって、BitDAOがトップティアのクリプロプロジェクトのディールをソーシングできています。

dHedge (メンバー数: 8,205; 調達額: $534M):  Ethereum上での合成資産のためのノンカストディアル型模倣取引

The LAO (メンバー数: 99; 調達額: $64M): 共同創業者のAaron WrightはOpenLawの創業者でもあり、米国Wyoming州のDAO法案を提案した中心メンバーです。

MetaCartel (メンバー数: 244,522; 調達額: $78M): 2018年にコミュニティが設立され、2019年にイーサリアム上にDAOが構築されました。

DAOSquare (メンバー数: 55; Funding raised: N/A): スタートアップのトークンエコノミーにおけるソリューションやテクノロジー改革、コミュニティ運営等を手伝うWeb3インキュベーターです。

Stacker (メンバー数: 432; 調達額: $3M) : 分散型ベンチャーファンドを運営しているコミュニティであり、ガバナンスにおける権力の抑制と均衡の最適化を重視しています。

AladdinDAO (メンバー数: N/A; 調達額: $68M): クリプト投資をベンチャーキャピタリストから一般大衆へと移行することを目標とする分散型ネットワーク。 

Neptune DAO (メンバー数 75; 調達額: $42M): 流動性管理にフォーカスした初めてのDAO。流動性を与え、DeFi/NFT/その他のプロトコルなどを手助けするのを目的としています。

Jenny DAO (メンバー数: 24; 調達額: $9M+): Unicly上に作られた最初のメタバースDAO。世界で一番良質なNFTコレクションを作ることを目指しています。

PleasrDAO (メンバー数: 69;調達額: N/A): pplpleasrというアーティストの「genesis NFT」という作品を購入するためにTwitter上で急速に結成されたDAOであり、DAOが挙げた収益はアジア系アメリカ人の人権保護団体に寄付されます。DOGEというミームNFTに投資したことでも有名です。

Flamingo DAO (メンバー数: 73; 調達額: $33M): 所有可能なブロックチェーン資産への投資機会狙うNFTフォーカスのDAO。

MEMEX (メンバー数: N/A; 調達額: N/A): 最初はConsensysの商品開発担当の方が冗談でTwitterで集めたコミュニティですが、のち実際にFantomでトークンを発行してDAO化されています。ミームNFTなどに投資しています。

Whale DAO (メンバー数: N/A; 調達額: N/A): 貴重でレアなブロックチェーンゲーム、デジタルアート、バーチャル不動産、その他デジタル資産に投資しています。