DAOはCEOやトップダウン構造なくしてビジネスを行う代替方法を提供しています。

【DAO大解剖③】運営プロジェクトとしてのDAO

運営プロジェクトとしてのDAO

DAOが世界中で盛り上がるにつれ、DAOのような組織構造の例が世界中で出現しました。前回は投資ビークルとしてのDAOを解説しましたが、今回はプロジェクトや会社の運営において画期的な方法であるオペレーションDAOに関して説明していきます。

WEB2.0の世界では、Facebookなどのソーシャルメディア、Airbnbなどのマッチングプラットフォーム、EpicGamesなどのゲームスタジオ、LendingClubなどのP2Pレンディングプラットフォームを構築するときに、法人を作ることから始めます。また、収益、株式や債券により調達した資金を活用してチームを作ります。ストックオプションは一部のキーメンバーとなる従業員のみに対して付与されます。

しかしながら、WEB3.0のエコシステムにおいては、各メンバーの貢献度に応じて、コントリビューターやパトロンに新しいトークンを発行して、分配することができるようになりました。このエコシステムを通じて、トークンを用いて、プライベートマーケット・公開市場から資金調達し、ファンドを設立することが可能になりました。

ギルド型プロジェクト

ギルト型プロジェクト

Yield Guild Games (YGG) (完全希薄化後時価総額: USD $5.6 billion): YGGは Play-To-Earn タイプのゲームで、プレイヤーがブロックチェーンベースの経済上で稼げるような仕組みを構築しています。Yield Guild GamesはScholars (ゲームをして稼ぐ人) とInvestors (scholarsが使うゲームアセットに投資する人)によってコミュニティを結成しています。また、Scholarsがルールに基づいて、プレイしているかを確認したり、収益の分配作業を行ったりするためのコミュニティマネージャーも存在します。 Infinity Ventures Cryptoはa16zとともにYGGに対して$4.6MのシリーズAラウンドにおける投資を実行しました。 またYGGはフィリピンにおける初めてのa16zからの投資となります。

YGGSEA: YGGSEAはInfinity Ventures CryptoとYGGによって設立されたジョイントベンチャーです。東南アジアにおけるコミュニティーを創造していくことにフォーカスしたYGG初のSubDAOです。

Merit Circle (完全希薄化後時価総額: USD $5 billion): Merit CircleはYGGに似ているビジネスモデルで、業界に遅れて参入したものの、急成長を続けています。2021年11月に設立され、既にトークン評価額はトッププレイヤーに追いついています。 

MetaFactory: MetaFactoryはファッションやアパレルに当初注力していた、コミュニティが保有するブランド創出のためのクラウドファンディングプラットフォームです。 IP、プロダクトオークションのマーケットプレースの収集・管理、ブランドパートナーに代わってプロダクト製造やフルフィルメント等もを行っています。

コミュニティ型プロジェクト

コミュニティ型プロジェクト

Friends With Benefits (FWB) (完全希薄化後時価総額: USD $79 million): FWBはディスコードグループとしてスタートしました。FWBに入るためには、オンラインで申込書を提出し、コミュニティによる投票で評価される必要があります。FWBに更なるコンテンツが加えられるにつれて、コミュニティ自体の価値も上昇します。2020年9月の開始以降、メンバー数はおおよそ2,000人に到達。これらに加えて、トークン保有者にしか参加できないイベントやNFTギャラリー、Web3中心の編集ビジネス、バーチャルミュージックスタジオなど様々な取り組みをしています。

Bored Ape Yacht Club (BAYC): BAYCはBored Ape NFTオーナーのコミュニティで、Bored Apeはプロフィール写真などによく使われています。今まで売られた最も高額なBored Ape NFTアートはUSD $2.8 millionです。

DeFi型プロジェクト

DeFi型プロジェクト

Uniswap (完全希薄化後時価総額: USD $15 billion): Uniswap (UNI) はUniswapのためのガバナンストークンであり、自動流動性プロバイダーとしてEthereum (ERC-20) トークンの取引を容易にしています。中心となる管理者等はいません。時価総額はDAOの中で最も大きいです。

Compound (完全希薄化後時価総額: USD $1.9 billion): Compound (COMP) はCompoundプロトコルのコミュニティガバナンスを可能にするERC-20トークンです。プロトコルは、ユーザーが貸与を好きな様々な利率で行うことができるようになっています。 COMPトークンホルダーとその代表者は、プロトコルを議論、提案、変更への投票をすることができます。

Aave (完全希薄化後時価総額: USD $2.8 billion): Aave (AAVE) はユーザーがお金の預金、貸出に参加できるマネーマーケットであるAaveのためのERC-20トークンです。預金者はマーケットに流動性を与える代わりに、収入を手に入れ、借り手は変動利子を払うことで暗号通貨を手にすることができます。 

Lido (完全希薄化後時価総額: USD $3.2 billion): Lidoはイーサリアムや他のProof-of-Stakeブロックチェーンに対して流動性ステーキング機能を提供するソリューションです。資産をチェーンにロックする必要がなく、ユーザーはLido上で原資産と1:1でペッグしているデリバティブトークンをステーキングすることによって、報酬をもらえます。

Olympus (完全希薄化後時価総額: USD $573 million): Olympusはクリプトネイティブのステーブル通貨になることを目標としたアルゴリズムプロトコルです。アルゴリズムステールコインと呼ばれることがありますが、OlympusはDAIなど他のステーブルコインを価格調整に使っており、どちらかというと中央銀行の役割に近いです。ゴールは浮動的なマーケットドリブンな価格でなく、価格の安定性を実現することにあります。

その他

その他

ENS (完全希薄化後時価総額: USD $4.3 billion): ENSはイーサリアム上で運営される、オープンかつ分散型アイデンディティプロトコルです。ユーザーはENSネイティブなETHに登録か、既に所有するDNSドメイン名を取り込むことができます。結果、異なるプラットフォーム上で使えるWeb3名やプロフィールを1つのクリプトアドレスで所有できます。

Rarible (完全希薄化後時価総額: USD $352 million): RARIはNFTを作る、売る、集めるためのコミュニティが所有するマーケットプレースで使えるイーサリアムトークンです。 RARIプラットフォームを使うことで稼ぐことができ、コンテンツを作ることと、プラットフォームのアップグレードに投票することに活用できます。

Gitcoin (完全希薄化後時価総額: $USD 961 million) Gitcoin (GTC)はGitcoinプラットフォームのコミュニティガバナンスを可能にするイーサリアムトークンです。 当プラットフォームは斬新なやり方でオープンソースプロジェクトを支援しています。2021年6月時点にGitcoinは累計$21milliom以上の助成金をオープンソースディベロッパーに提供しました。

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