アジア全体で最も急成長しているスタートアップ企業

アジア全体でメンタルヘルスサービスを提供する「Intellect」:創業者インタビューTheodoric Chew氏

アジア全体でメンタルヘルスサービスを提供する「Intellect」:創業者インタビューTheodoric Chew氏

Intellectとは、総合的なメンタルヘルスサービスを提供する、アジア全体で最も急成長しているスタートアップ企業です。

GoogleのBest Apps of 2020に選出されたIntellectは、15カ国以上でメンタルヘルスの問題に悩む200万人以上のユーザーに、安価なデジタルメンタルヘルスソリューションを提供しています。
今回は、その共同創業者でありCEOのTheodoric Chewにインタビューしました。彼は、自身の人生で不安を経験し、アジアにおけるより良いメンタルヘルス・ソリューションの必要性を感じていました。
COVID-19の危機が始まって以来、世界中でメンタルヘルスの問題が増加、従来のメンタルヘルスサービスは新たな需要と課題に直面しています。特にアジアでは、セラピーサービスやデジタルウェルネスソリューションなど、質の高い治療や専門家の助けが得られないことが多いことが課題になっています。Intellectはこのような課題に対し、D2CとB2BでAPAC11カ国の言語に対応、全面的なメンタルヘルスサービスを提供しています。

Headline Asiaは、IntellectのAPACおよび日本での事業拡大を支援・強化するため、2022年1月に1千万米ドルのシリーズAラウンドに投資しています。
 Headline Asia の投資家 Abby Hsuは、「Foodpanda や Shopbackといった企業がIntellectのサービスを使用しています。サービス導入後、先述の企業は組織内のメンタルヘルス指標の改善において高い満足度を示しています。この結果は、Intellectにおけるノウハウ、市場需要の多さ、独自のサービス品質の高さを裏付けていると言える」 と述べています。

Intellectがアジアにおけるメンタルヘルスケア業界の先進的なソリューションを実行していくこと、そして弊社Headline Asiaがその活動の支援を行うことをとても楽しみにしています。

Intellectのセルフケアアプリでスキルアップとムードトラッキングの分析が可能

Intellectのセルフケアアプリでスキルアップとムードトラッキングの分析が可能

CEO・Theodoricさんの経歴は?


シンガポールで生まれ育った私は、この東南アジアの小さな国が世界規模の競争力を持つことができると信じ、創業者になることを決心しました。この信念と、テクノロジーを使い何百万人もの人々に利益をもたらす事業に強い関心を持ち、スタートアップをはじめ、新たなサービスを作る世界に足を踏み入れました。

Headlineと出会った経緯、これまでの仕事での経験を教えてください。


Headline Asiaとは、2021年初頭に既存のリードインベスター(Insignia)からの紹介で出会いました。当初から、市場「セグメント」だけでなく、スタートアップを成功させるビジネスの仕組みを理解するHeadline Asiaのアプローチは、多くの点で卓越しており先進的でした。
Headline Asiaと組み、私たちはHeadline AsiaのPartnerやチームと共に本当に素晴らしい経験をしてきました。彼らは、パートナーシップの拡大から重要な人材確保に至るまで、会社の成長を推進するために、一生懸命に私たちと協力し、膨大な業務知識と専門知識をもたらしてくれました。

マーケティング職から「Intellect」のような会社の設立に至った理由は何ですか?


私は、もともと創業者気質なんです。いくつかのスタートアップでマーケティングチームを率いていましたが、もともと10代の頃からオンラインビジネスに手を出し、19歳の時に最初のスタートアップを設立しました。これらは私にとって素晴らしい経験となりました。
個人的なことですが、16歳のときに初めてセラピストのもとで不安を解消したことが、私のメンタルヘルスの旅の始まりでした。それ以来、専門家のサポートを受けることが自分の苦悩に対処するのに役立つことを知りました。さらに重要なことは、そのサポートによって自分という人間が成長でき、仕事を成功させることにもつながるということを身をもって体験したことでした。世界中の大多数の人は同じような経験があり、私自身も深く共感できる問題に取り組むために、Intellectを始めました。

Theodoric Chew- IntellectのCEO兼共同創業者

Theodoric Chew- IntellectのCEO兼共同創業者

ホームページによると、「4〜6週間で社員の69.7%がストレスレベル10%減少」とのことですが、どのようなシステムでストレスレベルを追跡・測定していますか?


当社の製品開発では、社内の臨床チームが大きな役割を担っており、サービスはエビデンスに基づき、メンタルヘルスを改善する臨床的有効性を持っています。私たちは、臨床レベルのメンタルヘルス・リスク測定法を用いています。この測定法は、私たちのプラットフォームにシームレスに組み込まれており、プラットフォームのユーザーに、ストレスと総合的な健康レベルを測定・追跡する方法を提供することを可能にしています。

Intellectの個人化的、自分のペースで進められるコンテンツは、顧客のウェルビーイングと進捗を追跡する分析機能によって補完されています。

Intellectの個人化的、自分のペースで進められるコンテンツは、顧客のウェルビーイングと進捗を追跡する分析機能によって補完されています。

Intellectがアジア最大かつ最も急成長しているメンタル・行動健康プラットフォームとなった要因は何でしょうか。


創業時、サービスを作る前に多くのアジア人がメンタルヘルスに関してどのようなニーズやペインポイントがあるのか、幅広く調査・検証することから始めました。その結果、アメリカやヨーロッパとは異なるアプローチが必要であると確信しました。
また、製品と市場の適合性に重点を置くことで、エンドユーザーにとって有益な体験を構築し、急成長を遂げることができました。

Intellectは、スティグマ・フリー(差別や偏見をなくす取り組み)を提唱していますね。メンタルヘルスに対する意識を高める必要があると認識されたきっかけは何ですか?


先ほどお話ししたように、アジアにおける私たちの使命と仕事の大きな部分は、人々がメンタルヘルスとウェルビーイングをどのように認識しているかを、臨床的なものから、親近感があり毎日起きているものへと変えることだと考えています。そのために、私たちはメンタルヘルスに偏見を持たないよう、常に努力を続けています。

ユーザーは、Intellect上での数回のタップで認定行動健康コーチとつながり、ライセンスを持つメンタルヘルス専門家にアクセスすることができます

ユーザーは、Intellect上での数回のタップで認定行動健康コーチとつながり、ライセンスを持つメンタルヘルス専門家にアクセスすることができます

Intellectの社風として、最も誇りに思うことは何ですか?


私たちはオープンで誠実な会話をすることを大切にしています。また、私たちのチームは非常に多様性に富み、15カ国以上の国籍の社員が50名以上在籍、現在も増え続けています。そして、ワークライフバランスとハイブリッドワークを積極的に推進することを大事に、会社でも実践しています。

次の目標は?


私たちは、アジア全域でメンタルヘルスケアへのアクセスを急速に拡大し、Intellectのユーザーベース、顧客、行動健康コーチや臨床セラピストのネットワークを成長させたいと考えています。
そのために、プロダクトチームとエンジニアリングチームを成長させ、セルフケアプログラムからライブカウンセリング、コーチング、危機管理ケアまで、メンタルヘルスケアの全領域に対応できるような製品提供の拡大に注力します。
同時に、職場におけるメンタルヘルスに関する会話をもっと一般的にすることが重要であるという認識を広めるため、パートナーシップやマーケティング活動を展開することを計画しています。

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