「ロボットが街を歩く」

キャンパスから街へ:デリバリー・ロボットKiwibot

「ロボットが街を歩く」なんて、未来のことのように思えるかもしれませんが、実はもう実現していることなのです。

配達ロボット「Kiwibot」は、小さくて可愛い。その上、環境にやさしく、手頃で利用しやすく、人々の生活をより良くすることが期待できるでしょう。
Kiwibotは、パンデミックが始まった厳しい時期にキャンパス内の学生に食べ物を配達しました。そして現在、さらに大きな目標へと向かっています。

最初にAPI*の連携が始まったのはサンノゼでした。その後、ロサンゼルスでもキャンパスやショッピングモールで配達テストを行い、APIへの接続が実現しました。現在、サンノゼ、ロサンゼルス、サンタモニカ、デトロイト、ピッツバーグ現地にKiwibotの事業が動いており、直近ではマイアミ拠点もできました。

*API:アプリケーション・プログラミング・インターフェース(Application Programming Interface):ソフトウェアやプログラム、Webサービスの間をつなぐインターフェースのこと

その後、ジョン・Sと・ジェームズ・L・ナイト財団との提携により、Kiwibot はマイアミ・デイド郡、サンノゼ、ピッツバーグ、デトロイトで正式に事業を展開することになりました。上記の各都市に最大10台のロボットを配備し、1人のスーパーバイザーが管理を行います。このパイロットプロジェクトにより、都市は、持続可能なソリューションを提供しながら、市民の生活に革命をもたらし、サービスを提供できるモビリティ技術の導入ができるようになります。このデリバリー・サービスは、地元の中小企業を支援していますが、その対象は食品業界だけでなく、薬局やその他の分野にもそのサービスは広がっていく可能性があります。パンデミック時に地元の人たちが商品をより入手しやすくします。

Image courtesy of Kiwibot

Image courtesy of Kiwibot

ハイテクと安全性


「iF Design Award of 2021」を受賞したKiwibotのデザインプロセスは、人々と地域社会から発想を得たものです。彼らの新しい4.0シリーズでは、効率的な半自動自律技術を使って都市部での配送を可能にしています。
技術面が先進的であることに加え、お客さまにとって安全で効率的なフード配達のプロセスを可能な限り実現させたのです。レストラン側が、配送したい食べ物を中に入れると、自動的にロックされ、安全が確保されます。そして目的地に到着すると、アプリケーションから通知が届き、お客さんは「アンロック」して商品を受け取ることができます。費用対効果が高く、環境にも優しい方法です。

また、Kiwibotは街のマッピングを行い、道路の混雑を緩和する役割も担っています。この小さなボットは、MDS(Mobility Data Specifications)フレームワークと自動データ収集システムを使って、情報を収集・保存しています。これにより、ロボットが効率的かつ安全に移動できるだけでなく、歩道の状況、車両や歩行者の交通量など、蓄積されたデータを最終的には市当局と共有することができ、都市がより安全で利用しやすくなるよう支援することができるのです。

Image courtesy of Kiwibot

Image courtesy of Kiwibot

二酸化炭素の排出量を削減するために


かつて宅配ロボットを禁止していたサンタモニカですが、全米初のゼロエミッション宅配ゾーン(ZEDZ)にはKiwibot を受け入れました。サンタモニカ市はロサンゼルス・クリーンテック・インキュベーター(LACI)と提携し、正式にZEDZを立ち上げました。彼らの主な使命は、都市へゼロ・エミッション配送区域の導入を促す青写真を提供することです。LACIは、プロジェクト実施チームと協力し、地域社会に利益をもたらし、長期的な成果を確保するために活動しています。
まだまだ始まったばかりですが、Kiwibotはすでにポジティブなインパクトを与えているのです。Kiwibotは、これまでのデリバリーですでに1,000グラムのCO2を削減したことを明らかにしています。「米国では、配送の80%がガスを燃料とする自動車によるもので、カリフォルニア州の半分は干ばつに見舞われています。」KiwibotのCEO兼共同創業者のChávez Cortés氏は、「2030年までに、配送による二酸化炭素の排出量が30%増加する可能性があります。」とコメントしました。今年の彼らの最終目標は、1000万グラムのCO2を削減することです。

マイアミ市長のフランシス・スアレスは、「マイアミだけでなく、世界中の都市部での渋滞とか二酸化炭素の排出量を削減する、このようなエキサイティングで先進的なイノベーションの始まりになることを誇りに思います」と述べています。

SUBSCRIBE US! Headline Asia の最新のニュースをお届けします。

;